uの芸術鑑賞日記

コンサートや美術展で思ったことを備忘録として。

オペラ「サロメ」2023/06/01 新国立劇場

新国立劇場のオペラ、サロメの6月1日の夜公演。
メインのキャストはほぼ新国立劇場初登場。

スタッフ
指揮 コンスタンティン・トリンクス
演出 アウグスト・エファーディング
美術・衣裳 ヨルク・ツィンマーマン

キャスト
サロメ アレックス・ペンダ
ヘロデ イアン・ストーレイ
ロディアス ジェニファー・ラーモア
ヨハナーン トマス・トマソン
ナラボート 鈴木准

サロメ│新国立劇場 オペラ

とにかくまず気になったのが、金管楽器。大音量で、歌手の声が聞こえないほど。
4階席での鑑賞だったので席のせいかとも思ったけれど、最後まで変わらなかったことを考えると意図的なものだったのだと思う。
恐らく緊迫した感じを出したかったのだと思うが、金管楽器で表現する以外に手はあったのではないか。歌手の声が全く聞こえないのは違うと思う。

全体的として、色気があまり感じられない舞台だった。
井戸の演出も何だか怪獣を閉じ込めているような印象。ヨハナーンがサロメが近づくのを拒んでいる場面も何か目に見えない結界があるかのようで、サロメが惹かれていてすがるような様子があまり感じられなかった。

ロディアスが一番良かったように思う。

サロメを見たのは始めてだったので、鑑賞後、他の映像も見てみた。
ヨハナーンはチャールズ国王の戴冠式でも登場したブリン・ターフェル

こちらはサロメの踊りを含め、かなり官能的で刺激的。音楽と演出がマッチしていて、納得させるものがあった。

他も見てみてやっぱり思ったのは、背景となる聖書の知識がない者にはサロメは難しいということ。
ストーリーが聖書とはちょっと違うらしく、分かる人にはそこが興味を掻き立てるポイントらしい。
結局はサロメの官能的な踊りと、生首の演出を楽しむしかないのかもしれない。